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趣味のサイト「すみれの部屋@(花の写真館)」のすみれ通信「徒然草=つぶやきの棚」をブログで…---☆
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ヴィオラ・アルベンシス

 やはり、パンジーそっくりの果実を作るヴィオラ・アルベンシスです。そっくりもなにも、原種の一つで、Field pansy と呼ばれている訳ですから、当然でしょうか。花びらは極小サイズですが、果実は普通サイズ!印象的には大きく見えます。花の大きさと果実の大きさには相関性はないのですね。
 割れた果実の袋(心皮に当たる)より萼片(蔕)の方が大きいことも印象的です。それから、托葉が驚く程に大きくて、茎生葉と比べたくなります(笑)。この写真は6月の撮影、つまり直前まで花を付けていました。その後、植物体全体があっという間に枯れて干草のようになってしまいました。この状態で牧草に混じり、世界中に運ばれるということでしょう。閉鎖花を上げて、果実から種子を飛ばすというステップですが(今年は)見られませんでした。


<紹介> 花の写真館からすみれの部屋の一部コンテンツをブログで再現しています

<参考> 用途別に! 日本のスミレ増補改訂  スミレハンドブック
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ヒュウガスミレとフイリコミヤマスミレ

 初夏に自生地を歩きますと、春に比べて格段に大きくなったアオイスミレの葉などを見かけます。ところが、コミヤマスミレやヒュウガスミレでは、葉の大きさも形もほとんど変わらず、株元から新しい葉がたくさん出てくるようです。太陽の光を受ける面積などを考えると、葉を大きくするより、賢い選択かもしれませんね。
 さて、「花の写真館」にしては花が余り登場しないのに読んでいただき、ありがとうございました。いろいろ観察できて楽しかったトピックスでしたが、この辺で一度終わりにして、次の話題の準備にかかります。今、遮光した棚の脇で、太陽を楽しむように花を咲かせているのはヒバントゥス・コミュニスやヴィオラ・バンクシイ、それから、ぎりぎりでヴィオラ・アルベンシスやパンジーの仲間が頑張っています。でも、真夏を迎えると一時的に花がなくなってしまうのでしょうね。


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ヒュウガスミレ

 南谷忠志先生が、改めて乾燥標本を作るために採取され、根洗いを済ませたヒュウガスミレの充実株を撮影させていただきました。写真の根をよく観察しますと、地下茎または根から不定芽を出して増えていることが分かります。先生は高等学校教諭を長く務める傍ら、南九州を中心に植物研究を続け、宮崎県総合博物館学芸課長、副館長を歴任、宮崎植物研究会会長等を務められた植物研究家です。植物地理・分類学会賞(2000)や日本植物分類学会賞(2005)など、数々の受賞歴を持たれており、私は植物分類学者でいらっしゃると認識しています。やはり、植物に対するアプローチがいろいろ異なるのですが、先生の許可をいただいて、花粉稔性を簡易検査された際の顕微鏡画像をヒュウガスミレのページからリンクしています。


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ヒュウガスミレとフイリコミヤマスミレ

 こうして直接比べてみると、上のフイリコミヤマスミレと下のヒュウガスミレでは、葉などに生えている白い毛の様子がかなり違うのが分かりますね。ヒュウガスミレにも短い毛が疎らにあるのですが、毛深いすみれという印象には至りません。明るい緑色の葉表面が露に濡れていると光沢が目立つようになります。関東で見られるコミヤマスミレは、両者の中間的な存在のようです。
 毛が多いとか少ないとか、色が濃いとか薄いとか、このような性質は往々にして「段階的な変化」と呼ばれ、少し離れた場所でも違いがあったりするものです。ただ、毛深いという特徴を持つコミヤマスミレに対して、これだけ毛が少なくてつるっとしていると驚きますよね。毛深いアカネスミレに、毛がほとんど見られないオカスミレという変化がありますが、あそこまで極端ではありません。


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ヒュウガスミレ

 ヒュウガスミレが開花している株元には、ご覧の通り、一面に実生苗が芽を出していました。まだまだ果実は見られず、昨年の種子が越冬して花期に発芽したのだろうと理解しています。つまり、花を咲かせているのは昨年までに発芽して、開花できる大きさまでに充実した株ということになるのでしょうか。
 地面を覆う程に実生苗が多く見られ、これを栽培して継続観察をしています。栽培は上手くないのですが、情報の少なさをカバーするためにちょっとだけ努力をしている訳です(笑)。苗は株中心部から多数の葉が放射状に展開するという不思議な姿に育ち、ついに閉鎖花から果実ができました。黒褐色の小さな果実にも葉と同じ白い毛が見られ、小さな淡茶褐色の種子が詰まっています。一般的な認識では交雑種を想定しない状況ですが、なぜ、浜栄助氏が敢えて想定したのか、謎は残ります。


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ヒュウガスミレとフイリコミヤマスミレ

 ヒュウガスミレの自生地を見て、「やはり、そうか!」と思ったことがあります。左のヒュウガスミレも、右のフイリコミヤマスミレでも同じですが、生育環境として、地面は湿っていても決して薄暗い場所ではないことがお分かりいただけるでしょうか。ともに東南向きの斜面(法面)で少なくても半日は太陽が当たります。
 最初に観察した場所や、最初に調べた書籍情報のイメージは強く記憶に残るものなのでしょうね。四国の坂道で面白い模様のフイリコミヤマスミレに遭遇した時は、葉の変化よりも環境に驚いてしまって、方位磁石を持ち出したり、最近伐採された痕跡はないかと探してしまいました。しかしながら、太陽の位置はほぼ真上で、水が滲み出していなければカラカラに乾いてしまうような場所なのです。ヒュウガスミレも視界が開けた坂道の法面で咲いていました。正しく理解するためには、実際に幅広く観察することが大事なのだなぁと改めて感じています。


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ムラサキコマノツメ

 明るい屋外で撮影しているのですが、このように写り込むと花の様子が分かりやすくて良いですね。同定が簡単な花色を持つムラサキコマノツメです。
 要するにニョイスミレの色違いですから、育て易くよく増えて、たくさんの花を咲かせます。数年前に種子から育てた個体の末裔ですが、黒くて小さい種子を一面に飛ばして、ところ構わず、顔を出すというひょうきん者です。
 東北産ニョイスミレといっしょに花を咲かせていたこともありましたが、混血してしまう様子はないようでした。色違いと説明しておきながら、実は、少しですが違いがあるように思われます。先ず、ほぼ同じ環境に育てば、ムラサキコマノツメの方が草丈が高くなり、ごちゃごちゃと絡みつくように延びることも少ないような気がします。勿論、変異があるのだと思いますが、たまたま育てている個体と、湿原で観察した個体がそのような様子だったということかも知れません。


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スミレサイシン

 やはり、雪国のすみれの代表格の一つであるスミレサイシンです。ご存知の通り、スミレサイシン類の仲間はナガバノスミレサイシンが太平洋側に、スミレサイシンが日本海側に、そしてアケボノスミレが中間部に分布すると言われます。当然ですが、これは大雑把な説明であって、アケボノスミレなどは比較的広く分布していますね。
 岩手は太平洋側なのですがナガバノスミレサイシンは自生しておらず、スミレサイシンとアケボノスミレが見られます。(例によって岩手県南部での話ですが)スミレサイシンが奥羽山脈付近に、アケボノスミレが北上山系に住み分けているようです。また、すみれ一般に、太平洋側に多く分布する種と日本海側に多く分布する種が、北上川を境界線として東西に住み分けているように見えます。


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オオタチツボスミレ

 雪国のすみれを幾つかご存知のことでしょう.。これもその一つであるオオタチツボスミレです。ただ、単純に北海道、東北地方のことだろうと思うのは短絡的に過ぎるかも知れません。中国地方や九州北部もそれなりに雪が降りますよね。この種の分布をみますと、確かに雪との関連が大きいとみられ、太平洋側には極めて少なく、北海道から日本海側をなぞるように福岡や長崎まで分布するようです。
 おもしろいことに、タチツボスミレとの相互占有関係にも特徴がありそうです。岩手県南部の幾つかのポイントを見ると、秋田との県境に当たる奥羽山脈付近ではオオタチツボスミレがとても多いのですが、これに対して、北上川流域から北上山系では半々程度の混成が見られ、海岸に近い地域になるとオオタチツボスミレの個体数はぐっと少なくなってきます。


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オオバキスミレ

 この日、実家の家族を連れて、秋田県境に近い山間の小さな町までドライブに来ました。目的はオオバキスミレです。一昨年、この家族を連れて阿蘇くじゅう国立公園を走り回り、山一面のキスミレを見せてあげることができたのですが、自宅から車で小一時間の距離に黄色いすみれが咲くとは知らなかったそうです。高校卒業と同時に郷里を離れているのに、すみれに関する限り、どこに何が咲いているかを良く知っているというおかしな息子は、山道に車を止めて嬉しそうに案内をする訳です(笑)。
 先ず、カタクリの群生が目に留まったのですが、これだけ多く咲いている光景は見たことがないと言います。これは意外でした。では、オオバキスミレにカタクリ、ニリンソウにエゾエンゴサク、紫と白のキクザキイチゲが一面に混成する斜面は見たことがなかったことでしょう。雨が降りそうな気配でしたが、ここまで来てよかったようですね。


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