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趣味のサイト「すみれの部屋@(花の写真館)」のすみれ通信「徒然草=つぶやきの棚」をブログで…---☆
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ツクシスミレ

 今年、最もワクワクさせてくれたすみれはツクシスミレだったのかなぁと思っています。なんとか自生地を探し出そうと準備段階では四苦八苦しましたが、結果的には運良く出逢うことができました。実は展示会でじっくりと、植物園でもたっぷりと観察できると調査済みでしたので、自生地では咲いていれば良いとばかり、見つからなければ6拠点を巡るつもりだったのです。
 驚かれてしまうかも知れませんが、既に来年の予定を組み始めています。日本は東西に細長い国とは言え、個々のすみれの花期は限られていますので、直近の気候によって出発を若干前後させるゆとりを持とうとすると、スケジューリング作業はなかなか難しいのです。

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コスミレ(春紫)

 爽やかな花をたくさん咲かせているのは、展示札の表現で紹介すると「コスミレ(春紫)」です。春紫という表現が花の色を示すのだとすれば、ネーミングとしては「なかなかに言い得て妙」というところでしょうか。
 ところで、いつも思うのですが、どうしてこのすみれに小菫という名前が付いたのでしょうか。植物体や花を見る限り、小さいグループに分類される特徴は持ち合わせていません。それから、学名の japonica は「日本の~」という意味ですが、決して日本固有種という訳でもありません。「言い得て妙」とまではいかなくても、「なるほどね」という程度の感触は欲しいところではないでしょうか。

マルバスミレ(白変種)

 ちょっと下向き加減で静かに咲いているのはマルバスミレです。なるほど!と思いながら、少し違和感を感じている方がいらっしゃるかも知れません。実に鋭いですね。実は二度目の登場なのですが、これは白変種、すなわち真に純白のマルバスミレなのです。
 一般にマルバスミレは純白~と形容されがちですが、多くは唇弁や側弁に紫条が入り、距にも薄く紫色が滲んでいます。稀に花弁に淡い紅色が入るものまでありますが、それは別として、少なくても花茎には少し赤味が浮かぶのが普通でしょう。一方、この個体は文字通りの「青軸」で、花弁がふっくらと丸い端正な姿をしています。こんな綺麗な株を見てしまうと、よく見掛けるマルバスミレを純白と呼んではいけないと感じてしまいますね。

トミオカスミレ

 すみれ交配の先駆け的な存在である鈴木吉五郎氏作出のトミオカスミレです。葉の模様から想像できるように片親はスミレの品種のニシキスミレですが、もう一方の親は何でしょうか。資料には中国や朝鮮半島に自生するフイリゲンジスミレとあります。ともに葉の模様に特徴がある組み合わせですね。
 ところが、ニシキスミレの母種はスミレ、フイリゲンジスミレの変種で日本に自生するのはゲンジスミレですが、スミレとゲンジスミレが両親という場合はキソスミレと呼ばれることになります。こんなことだから、すみれは難しいと言われてしまうのでしょうね。基本的に和名には登録制度はなくて、また、当時はそれなりの事情があったのかも知れません。まぁ、現在なら少しは相互監視ができるのでしょう。
 [注] 植物には、別に学術目的とは異なる品種登録制度がありますが、鈴木進氏の「久我の舞」など、登録件数は極めて少ないのです。

ナルカミスミレ

 ハイブリッドの話が続きましたので、お口直しになるか分かりませんが、変種の品種を持ってきました。ややこしさは五十歩百歩かも知れませんが、端正なマスクに免じて、ご容赦下さい。これはエイザンスミレの変種であるヒトツバエゾスミレの品種で、ナルカミスミと呼ばれています。残念ながら、撮影角度の関係で葉の様子が良く分かりませんが、母種が持つ独特の葉が単葉化して普通のシェイプに戻ってしまったような姿です。ただ、実際には不規則な切れ込みが入ったり、大きく3裂したり、アソヒカゲスミレ風な形状になったりと甚だ多彩です。
 さて、問題は花の色ですが、写真の個体は白変種で、いわゆる「純白」ですが、シロカネスミレというスミレの品種と同様に「準白」でもナルカミスミレと呼ぶものと理解しています。ただ、強い反論があるようですよ。
 [注] 写真の個体自体はヒトツバエゾスミレとシロバナエゾスミレを交配(系統間交配)して選別した個体の子孫だろうと思われます。

ハリマスミレ

 少し湿った明るい平地、例えば、田圃の畦道などに多いアリアケスミレとスミレのハイブリッドです。ハリマスミレという名前を貰いました。名前から想像できますが、播磨国、つまり現在の兵庫県で見いだされた個体に因むものです。
 両親は花も葉もよく似ていますが、全体のイメージはアリアケスミレ似というところでしょうか。そばに親が咲いていて直接比較できれば分かり易いのですが、単体で咲いていたらアリアケスミレと思ってしまうところでしょうね。スミレのように変化の多い遺伝子を引き継ぐと、典型品を語ることが難しいような気がします。それでも幾度か目にすれば分かるようになるのかも知れません。やはり、出逢いはとても大事なのです。

コマガタケスミレ

 余り花付きが芳しくないと言われているハイブリッドですが、これは良く咲いていますね。スミレとフモトスミレを両親に持つコマガタケスミレです。両親が広範囲に自生していますので、あちこちで見掛ける可能性があるのかも知れません。
 片親のスミレに変化が多いので、コマガタケスミレも変化があるのだろうと想像しますが、葉の顕著な特徴を記憶していれば自生地でも目星を付けやすいような気がしています。それから、運良く花が咲いている自生品を見つけたらという話ですが、距の特徴を確認したいですね。前回の展示会では気が付かなかったのですが、とても魅力的な丸くて赤い距を持っているのです。

ヒラツカスミレ

 人気者ハイブリッドの一つではないでしょうか。良く似た両親を持ちながら、両親よりキリッとして優雅なイメージと称されるヒラツカスミレです。人工交配された時に付けられた和名ですが、自然交雑による自生品も稀に見られるとか。複数の園芸品種が流通しており、後ろに写り込んでいるのは濃い紅色で人気のヒラツカスミレ"くれない"だろうと思います。
 残念ながら、未だ自生品に出逢ったことはありません。園芸品種は別格ですが、果たして自生品をイメージだけで判別できるものなのでしょうか。自生品の写真を見る度に「こんなエイザンスミレを見たことがあるなぁ・・・!」と思ってしまいます。地元に住む達人の皆さんはどの辺で見分けているのでしょうね。

アリアケツクシスミレ

 一見、小さめの花を咲かせるアリアケスミレのようですが、葉の様子が少し異なるようですね。これは異なる節間の両親を持つハイブリッドで、シンプルな名前をもらったアリアケツクシスミレです。見かけはアリアケスミレ由来の完全な無茎種にしか見えません。
 自然の状態で交雑可能性はあるのだろうと思いますが、たまたま歩き回ったツクシスミレの自生地近辺で、アリアケスミレを目撃することはありませんでした。花期は多少かぶっているのですが、自生環境は違うかなぁ・・・。いずれにしても、流通しているのは人工交配からの選別種であろうと想像します。両親に似た元気そうなすみれでした。

ヴィオラ・ルペストリス 'ロゼア'

 側弁に剛毛が垣間見えるアイヌタチツボスミレの近縁種ヴィオラ・ルペストリス、その薔薇色の園芸品種です。この仲間は日本では珍しいグループになりますが、世界的に見ると、分布域がユーラシアおよび北米と言われますから、すみれが多く自生する温帯域いっぱいに自生していると言って良いのかも知れません。
 意外にも情報が少ないので海外のサイトを丹念に調べてみますと、淡い紫色の株がかなり多く、イブキスミレを思い出すような白地に水色が滲んでいるといった色合いです。この園芸品種が発している強い色合いとは大きな違いが感じられました。特異な薔薇色が先にインプットされてしまった例ですね。

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