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趣味のサイト「すみれの部屋@(花の写真館)」のすみれ通信「徒然草=つぶやきの棚」をブログで…---☆
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コボトケスミレ

 乳白色の柔らかい白花を咲かせているのはコボトケスミレと呼ばれるアカネスミレの白変種です。白花の品種というと、シロノジスミレのように白っぽい花色の個体から白変種までを含む場合が多いのですが、幾つかの資料を総合して判断すると、コボトケスミレは白変種を指し示しているようです(異論があるかも知れません)。その背景を考えてみたのですが、アカネスミレにはウスアカネスミレという品種が知られていて、この品種が淡い赤紫色から白っぽい個体までの微妙な変異を含んでしまっているからではないでしょうか。
 写真のコボトケスミレは、雪のような白さでほんわかとしたイメージがあり、おそらく、栄花園さんが流通させている園芸品種の系統だろうと思います。一方、野山で見つかる個体は、書籍資料などで拝見する限り、もう少しアッサリした白花の方が多いようです。運に恵まれないのか、修行が足りないのか、まだ野山では出逢っていません。


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ベニバナハリマスミレ

 多くのすみれたちが混在していますが、手前で艶やかに咲いているベニバナハリマスミレを一応の主人公にしましょう。他の種も紹介しておきますと、淡い紅色の花はアリアケスミレ、濃紅色の花はヴィオラ・ソロリア(レッド・ジャイアント)、後方にはシロコスミレやヴィオラ・アルベンシスも見えています。園芸品種から外来種まで賑やかな様子でした。
 このベニバナハリマスミレは2年前に購入した株の子孫です。栃木県の神山隆之氏の記述にある通り、ハリマスミレはスミレとアリアケスミレの交雑種でありながら、極めて良好な稔性を示しました。種子を採取した翌春に播種して、その実生株が今年の春にどっと咲き始めたという訳です。実は発芽率の方も極めて良かったもので、このような鉢がずらっと並んでしまいました。見事に親と同じ艶やかな姿をしており、道行くご近所さんの目を楽しませていたようです。


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ニョイスミレ

 ニョイスミレがポツンポツンと白い花を2つ咲かせていました。群生している方が一般的ですよね。育ててみると分かるのですが、花をたくさん咲き、それぞれの果実が極小粒の真っ黒いタネを大量に放出します。結果、土壌水分が保たれる環境なら、一面に繁茂するという訳です。
 昆虫等の場合、孤独相(こどくそう)と群生相(ぐんせいそう)では、体つきから性質、生活パターンまで変わる相変異と呼ばれる変化が見られます。植物の場合はどうなのだろうかと、ふと、考えてしまいました。今年、愛知県でこんもりと盛り上がるような群生の様子を観察しました。運動会の棒倒しを見ているような雰囲気の塊があちこちにあったのですが、さしずめ、あれが群生相でしょう。上へ上へと伸びるようですね。
 さて、こちらの孤独相の撮影は5月初旬でした。この時点では群生していませんが、標高を考えると、これ以降、周辺にも芽が出たのかも知れないと考えることにしました。


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マルバスミレ

 日光周辺は観光地であると同時に、すみれの散策にもおもしろいエリアです。すみれの種が比較的多く、開花時期が少しずれても標高差を活かして調整ができる という特典付きというところでしょうか。
 さて、このしっかりした印象のマルバスミレですが、例によって葉は丸くありません(笑)。花の中心部が黄色掛かっているようですね。マルバスミレには意外 に変化があり、九州では花弁が紅色を帯びているものを観察しました。花弁の形もまん丸いものから、ひょろ長いものまで千差万別。明らかに波を打っている花も見掛けま す。名前の通りに葉が丸めの個体もありますが、先端が尖って披針形にしか見えない個体も少なくありません。この写真の個体も葉先が尖り、拡げてみたら披針形だろうと 思われます。葉の形状は普遍的な特徴ではなさそうです。できれば、別の名前を付けて欲しかった種の一つでしょう。


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エイザンスミレ

 ここは日光の観光地です。まっとうな生活を目指して、たまには観光に出かけた(?)、という訳ではなく、この辺に、あるすみれが咲くという情報があったのが出かけた理由でしたが、結果的には見つけられませんでしたが、それでも、なかなかユニークな姿のすみれたちを観察できたのです。その一つがこのエイザンスミレです。ここまで草丈の高い個体は余り見掛けませんよね。
 日照量はご覧の通りですから、モヤシのようにヒョロッと伸びたという訳ではないのでしょう。このような特徴は一帯のエイザンスミレで見られ、まるで背比べをしているようでした。エイザンスミレの他にも何種類かのすみれたちを確認できましたが、敢えて、拝観料を支払わなければいけない一角には出入りせずに移動したのです(・・・)。


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ヴィオラ・ペダティフィダ

 ヴィオラ・ルペストリス 'ロゼア'と対照的的な青紫系の花を咲かせているのは、北米原産のヴィオラ・ペダティフィダです。ヴィオラ・ペダータと学名が似ていますが、やはり鳥の足に似た葉を持つという特徴があるのですね。
 現地では"Prairie-Violet"、つまり「草原のスミレ」と呼ばれているそうです。ペットとして飼われることもあるプレーリードッグ (Prairie dog)も北米の草原に棲む草食性の小動物ですから、もしかしたら、ヴィオラ・ペダティフィダは彼らの餌になっているなんてこともあるのでしょうか(注:イネ科の植物が主食とのこと)。文字情報だけで画像は確認していませんが、国内で見られる複葉性の種と同様、自然交雑種が多く確認されているそうです。やはり、菊葉になるのか、ちょっと興味がありませんか。


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ヴィオラ・ルペストリス 'ロゼア'

 ヴィオラ・ルペストリス 'ロゼア'が例年通りに大量展示されていました。育てやすく馴化が進んだ園芸品種で、優しく艶やかな色合いが日本人の目にも心地よく映り、好まれているのだと思います。
 稀に、すみれ散策中に色の濃いサクラタチツボスミレに出逢うことがありますが、ここまでしっかりと発色している例は稀有ですよね。もし、ここまで濃い色の個体なら、「紅花XXXXスミレ」とか、そんな名札で売り出されるのではないでしょうか。ヴィオラ・アレナリア 'ロゼア'と呼ばれていた頃に育てたことがありましたが、最近では展示会で拝見するすみれです。こうした華やかな園芸品種も楽しいですよね。栽培の主要目的な通年観察など、つまり、じっくり見たいためですが、こうした園芸種も育てていると、道行くご近所さんの目を楽しませることができようというものです。


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アギスミレ

 少し迷いながら、まぁ、アギスミレの範疇で良いのかなぁと位置づけることにしました。これは10日ほど前に撮影したものです。この姿を花期に観察したのならば迷いは少なかったでしょうね。
 花期にはニョイスミレとしか見ていなかった個体群について、花後に葉を見るとブーメラン形に変形していることは少なくありません。庭で長く育てていたニョイスミレがそうでした。花期に見る葉は大半がムラサキコマノツメと大きな違いがないのですが、花後、半数程度の葉の基部が伸び出します。どうやら、湾曲する度合いは各地の個体群によって異なるようです。蹄鉄そっくりなところまで曲がるものから、あっさりした出っ張りまで多彩。おそらく、どこからアギスミレなのか明確な指標を打ち出すことは難しいのだろうと思います。


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リュウキュウシロスミレ

 ちょっと葉が細長い感じもしますが、リュウキュウシロスミレのようですね。基本種はViola betonicifolia、アリアケスミレが兄弟分に当たります。このグループについて、橋下保先生はノジスミレとヒメスミレの雑種起源だと考えていたとされます。全体の様子と2n=72という染色体数からの推察でしょうが、現在は解明されているのでしょうか。
 花の様子は極めて多彩で、シロスミレの交雑種に雰囲気が似ています。距は確かにヒメスミレっぽいですね。ただ、生育環境が違いますから、ノジスミレとヒメスミレの方が可能性が高そうです。広大なオーストラリアにも基本種が自生しているそうですが、スミレ属は極めて稀な存在で、特にノジスミレやヒメスミレの仲間は自生していません。どちらが学名上の基本種なのかは別として、北半球から持ち込まれたものと考えた方が無難でしょう。リュウキュウシロスミレとアリアケスミレの関係についても興味津々です。


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オトメスミレ

 突然ですが、少し古い写真を持ち出してきました。間違いなくオトメスミレですね。ここまで距の赤紫色が濃いケースはなかなかお目にかかれません。一般には、所謂『ほんのり桜色』が多いのではないでしょうか。サクラタチツボスミレと呼ばれる型がありますが、その型の距でも、ここまで濃くはないかも知れませんね。
 これは日光で見かけた個体です。この日はフモトスミレやフジスミレの斑が頭に残って、つい、このオトメスミレの紹介を忘れてしまっていたようです。早速、オトメスミレのページを改造して、この個体群を主役に抜擢することにしました。ただ、決して『(統計学用語で言うところの)モード』ではありませんので、脇役として舞台を飾るべき存在なのでしょうね。まぁ、特徴を分かりやすく説明するための写真としては有用かと思います。


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