趣味のサイト「すみれの部屋@(花の写真館)」のすみれ通信「徒然草=つぶやきの棚」をブログで…---☆
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オカスミレというアカネスミレの品種を意識したのは、高尾山での出逢いでした。新井二郎氏の「すみれの詩」では言葉として登場するだけで、文中で特段の説明はないのですが、植物体全体に毛が極めて少ない型です。
すみれという植物は、どうした訳か、品種だ変種だと極めて細分されています。毛が多いとか少ないとか、かなり主観的な基準で分けることには疑問を持つ方が多いのですが、ここの個体群の場合、納得させられてしまいました。要するに、毛だらけであることが特徴であるアカネスミレの品種のくせに、高尾山の個体群は全くの無毛、ツルンツルンなのです(笑)。まぁ、極端でおもしろいですね。
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エイザンスミレも高尾山では多いすみれのひとつです。新井二郎氏は「すみれの詩」で、切れ込んだ特徴的な葉のおかげで「実物を見たことがないのに、エイザンスミレの名だけは知っている」という人も多いと語っています。
やはり、その特徴的な葉のおかげで自然交雑種が分かりやすいという属性も持っている訳です。文中、フギレコスミレ(エイザンスミレXコスミレ)などの例が挙げられていますが、高尾山周辺で、エイザンスミレを片親とする交雑種と言えば、オクタマスミレしか見たことがありません。個体数で考えるなら、スワスミレ(同Xヒカゲスミレ)やフギレナガバノスミレサイシン(同Xナガバノスミレサイシン)辺りが見つかっても良さそうなものですが、なかなか、こちらの希望通りにはいかないものです。
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長く暑い夏が、ようやく終わったようだなぁと感じられる今日この頃、なんと、庭の棚で返り咲きが見られました。赤みを帯びた花弁は4枚しかありません。花色に少し違和感がありますが、ヴィオラ・ソロリア 'パピリオナケア' ?であろうかなぁと思われます。
すみれは暑さに弱い上に、葉はツマグロヒョウモンにかじられています。悲惨な姿ではあるのですが、それでも目に入った時にはとても嬉しかったのです。最近、夏と冬が長くて、秋と春が短い感じがすると連れが嘆いていますが、確かに、そんな雰囲気ですね。
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これは新井二郎氏の「すみれの詩」にはケマルバスミレとして、「場所が違えば顔付も異なる」というサブタイトルで登場します。ほぼ同じエリアでも少し離れると顔付(花)が細みだったりして多彩ですね!ということでした。「花弁の裏が紅色がかったものもあり、~」という記述もありました。残念ながら、高尾山周辺で、そのような個体に出逢ったことはなかったような…(記憶が!?)。
側弁の基部は一般に無毛なのですが、稀に有毛の個体があって「ヒゲケマルバスミレ(髭毛丸葉菫)」と呼ばれることがあります。このネーミングを新井氏は嘆いて「もう少しスミレのイメージを壊さない名はないものであろうか」と語っています。花柄に毛のあるタイプのオトメスミレを「ケオトメスミレ(毛乙女菫)」とする例を挙げ、「あまりにも気の毒だ」とも。うんうん、分かりますよ。
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新井二郎氏の「すみれの詩」にはナガバノスミレサイシンが高尾近辺には多いなぁという話と、交雑種であるナガバノアケボノスミレの話が出てきます。確かに、このすみれは高尾エリアに多く、特に裏高尾と呼ばれる北側の少し暗めな林下で頻繁に見られますね。
実のところ、山頂部や南側斜面のような乾燥気味の日向でも少しは観察できるのですが、日陰が多くて湿っている裏高尾の個体群とは、かなり違う姿をしています。特徴的な長いはずの葉が短くて丸いのです。中には葉が展開していない個体まで見つかってしまうのですが、すみれたちにとって、この環境の違いは決して小さくないということでしょう。
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引き続き、「すみれの詩」から副題『日本ではもっともポピュラー』に登場するタチツボスミレです。高尾山でもポピュラーで、麓から山の上までどこでも見られる種ですが、そんな話をしておきながら、ところで、写真の個体は本当にタチツボスミレなのでしょうか。
タチツボスミレにしては花弁が丸っこくて、中心部がしっかり白抜けしているように見えるのではないでしょうか!一方、葉に注目して見ると、写真1枚目と2枚目では少し様子が違っているようです。高尾では、こんな個体群がいっぱい見られるんですね。
タチツボスミレとニオイタチツボスミレの交雑種をマルバタチツボスミレと言いますが、近縁種間の場合、「戻し交雑」を繰り返して、遺伝子の「浸透」が起きるとの報告があります。つまり、両種の特徴を複雑に併せ持つ多彩な個体群が生じることになる訳ですね。さて、写真の個体群が何者か、まぁ、確認することは困難かも知れません。ここは仮にタチツボスミレとしておくことにしましょう。
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さて、やっと高尾のタカオスミレ編に辿り着きました。この葉の色は黒色や焦茶色と表現されることが多いのですが、濃い「小豆色」と説明したいところ。勿論、変異の幅がありますが、葉脈や花の唇弁に赤味が浮かんで「小豆の表皮」を彷彿とさせます。一方、黒紫褐色で葉脈に白斑が入る魅力的な型も各地で見かけます。個人的に高尾山では見ていないのですが、周辺エリアに稀に自生しています。
このサイトの表記上、小さな違いは余り気にしていません。因みに、葉の裏面が緑色の個体、褐色を呈する個体、更に斑の色合い、光沢度合いなど、幾つかの変異があることは承知していますが、どれもタカオスミレと呼ばせていただいています。写真には、葉表面に緑色の部分が多い個体もたくさん写っていますが、遅かれ早かれ、緑色に変わって行くケースがほとんどであることも事実です。
新井氏によると、原記載に「葉裏が紫褐色」との記述があるらしいのですが、同時に「(タイプロカリティである)高尾山にはそのようなものは、まず見られず、~」と言及されており、まぁ、定義の基礎に曖昧感が残っているということでしょうか。
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高尾のヒナスミレ、続編です。この狭いエリアで幾つかの変異が見られるのですが、ここで紹介するのは、その内、花弁が全体に小さめでキリっとした印象を持つヒナスミレと、葉緑素以外の色素が抜けた印象で、ちょっと怪しいシロバナヒナスミレです。
葉について、ヒナスミレの方が花弁と同様に少し細めに見えます。シロバナヒナスミレの葉は、まぁ、形状はほぼ同じですが、立体感がない感じですね。唇弁の距がプックリしていて、ちょっと変です。双方とも典型品ではないようだと思っています。
このエリアには、他にも紅色で愛らしい個体群、花弁や葉が強めに波を打つ個体群、大柄で派手めの個体群などが見られるだけでなく、年によって開花数に変化があって楽しくなるのです。でも、高尾全域で満遍なく見られる種ではありません(悪しからず)。
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関東は台風接近で一時的に気温が低下しましたが、記録的猛暑が続いています。そんな折、こぼれ種から育ったガーデン・パンジーに、また花が咲きました。植物には発芽適温や生育適温があります。こんな時期に開花するとは自身も思っていなかったでしょうね。
一方、後方に見えているのは亜熱帯から熱帯に自生する木本種であるヒバントゥス・コミュニスです。この時期は絶好調で白い花を連日咲かせながら、同時に種子を飛ばします。国産の草本種は開放花を咲かせる時期、閉鎖花を展開する時期などのステップがありますから、そうした性質もかなり異なりますね。でも、こうして並んでいると、どこか共通点があるなぁと感じさせます。
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「すみれの詩」にヒナスミレの章はありますが、副題である『高尾山でいつかは会いたい』の会いたい対象は、ヒナスミレを片親とする交雑種のオクタマスミレとシロバナヒナスミレです。ヒナスミレについては簡単に触れた程度という印象でしょうか。
新井氏のホームグランドである高尾にもヒナスミレがたくさん咲きますが、すみれの季節序章で咲き出すため、「目立たないスミレ」と表現しています。確かに見逃しやすいかも知れません。でも、見かけると飛びっきり嬉しくなってしまう、ちょっと特別な存在でしょう。この写真の個体は、もう10年以上前にコンデジで撮影しました。ヒナスミレらしさが感じられる「可憐なタイプ」ですが、実は、この狭いエリアで幾つかの変異が見られます。引き続き、そんな変異を紹介していきたいと思っています。
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