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趣味のサイト「すみれの部屋@(花の写真館)」のすみれ通信「徒然草=つぶやきの棚」をブログで…---☆
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ヒラツカスミレ

 艶やかな紅色の花びらが白い覆輪で縁取られ、とても品の良い花を咲かせています。ヒゴスミレとエイザンスミレの交雑種であるヒラツカスミレですね。写真は人工交配バージョンだろうと認識していますが、自然交雑バージョンが東京でも見られるそうです。両親は近縁なのに表現型が異なり、交配すれば稔性があるという独特な関係にあるのです。
 ヒゴスミレは、早春には陽光を得やすい草原に多く自生します。一方、エイザンスミレは、粗い林縁などですが比較的暗い環境で見られます。この2種を素材に系統解析して比較した若手研究者の発表が2009年に行われたそうです。人工交配でも、ヒゴスミレの花は白が基調でエイザンスミレは一般に淡い紅色なのに、濃い紅色の花を求めて交配するという不思議な魅力を持つ素材のようですね。


<紹介> 花の写真館からすみれの部屋の一部コンテンツをブログで再現しています

<参考> 用途別に! 日本のスミレ増補改訂  スミレハンドブック
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パンジー モコ -moco-

 うわっと思いましたが、最終的には買わなかった、とてもかわいいパンジーのポット苗です。手前の方に並んでいる小さくて縦に長い顔をした極小パンジーですね。すみれの育種では実績のあるサントリーフラワーズさんが『モコ -moco-(すみれ)』として発売しました。他に、黄色い花を咲かせる(ひかり)、青地に赤紫のグラデが入る(みそら)、写真の(すみれ)の上弁も白くなった(こゆき)という4種のバリエーションがあるようです。
 たまたま隣に並んでいたパンジーと比較すると、花びら5枚の面積を合算しても大きなパンジーの花びら1枚分に足りません(笑)。その分、花期と花数で勝負するのか、企業のサイトによると、花期は気温と湿度が高い時期を除く8カ月間、密集してモコモコ咲くそうです。交配に、極小で花期の長い Viola arvensis でも参加しているのでしょうか。4種並べて陳列されていたら、衝動買いしていたかも知れません。


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コモロスミレ(白花)

 つい買ってしまった東京ダルマ「達磨園芸」というブランドのポット苗がもう一つあります。これはコモロスミレ(白花)とか、シロバナコモロスミレとか呼ばれている型ですね。白花と言っても、ご覧の通り、紫の条と呼ばれる筋と淡いぼかしが入っているものですが、一般に「白花」という呼称は白っぽい花と理解した方が正しい結果を得られるのかも知れません。
 三木順一氏の「スミレ事典」によりますと、白花の系統は赤井百合氏が実生を続けている中から選別されたものだそうです。やはり、かなりの大輪ですが、更に優秀な選別系統なのか、育て方が良いのか、どちらでしょうか。八重咲きの開放花の時期が終わり、閉鎖花から種子が得たを育てれば判明するのでしょうが、観察に出かけてばかりで栽培が手薄になるので期待できません(笑)。


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<参考> 用途別に! 日本のスミレ増補改訂  スミレハンドブック
カスガスミレ

 魅力的な園芸品種だと思います。これはスミレとツクシスミレの人工交配による交雑種でカスガスミレという名前をもらいました。ツクシスミレの自生地は限定的ですから、万一、自然交雑があったとしても稀有極まりないでしょうね。両親の良いところをいっぱい受け取って、可愛らしい花をたくさん咲かせてくれます。
 スミレが一方の親ですと、同じ組み合わせでも花色などに変化が生じてしまいがちですが、このすみれにも白い系統があるようです。残念ながら、写真で拝見しただけなので、是非、そちらも拝見してみたいものだと思います。流通に乗っているらしく、運が良ければ展示会でなくても目にする機会があるかも知れません。


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ヘイリンジスミレ

 似た交雑種の例として名前だけ登場していたスミレとヒメスミレの組み合わせ、ヘイリンジスミレです。確かに、そんな感じがしますが、スミレやヒメスミレ、ノジスミレやコスミレなどが雑然と咲いている原っぱで出逢ったら、現実問題として同定できるかについては微妙なところです。ヘイリンジスミレかなぁと悩んだことは何度かありますが、数種が混在している環境で、悩んで終わりました(笑)。
 気になって仕方がなくなると、這いつくばって、距やら翼やら、側弁の毛、葉の裏、萼片の切れ込みと、虫眼鏡を使う類いのにらめっこを始めてしまう訳です。ほんの稀なことですが、山道の路傍や、石垣の隙間で奮闘している方を見かけると、絶対にお仲間だなぁと遠目にチラチラ見た後で、姿が見えなくなると気になる対象を探してみたりします(笑)。もしかすると、この逆もあったかも知れませんね。


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エドスミレ

 今度は、エドスミレと呼ばれているスミレとエイザンスミレの組み合わせです。交雑種の中ではメジャーどころと言いますか、比較的よく知られているものですが、以外にも資料が少なくて、困っています。例えば、名前の所以という基本的な情報が不確かなままなのです。学名が「東京の」という意味を持つだろうことだけは明らかです。
 生育環境についても、現状は「不詳」のままにしていますが、スミレとエイザンスミレが出逢うところといえば、現代のお江戸(東京)では高尾山のようなところでしょうか。あれ、高尾山でこの2種が並んでいる姿を見たことがありましたっけ。少し人里まで降りて来ないと難しいかも知れません。引き続き、情報を探すとして、この花は花びらに白い絞りが入る、なかなか洒落た逸品です。花と葉も良く調和していて、鑑賞に堪える姿をしていますね。


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スズキスミレ

 交雑種が続いています。こちらはスミレとヒゴスミレの組み合わせですね。トミオカスミレと同様、鈴木吉五郎氏の交配として有名になりました。ただ、自然交雑種としても比較的よく見られるそうです。
 以前は「人工交配種」と「自然交雑種」と使い分けていました。「交配」と「交雑」は別のことなので正しいと思っていたのですが、後ろに「種」が続く場合、総じて「交雑種」とすべきらしいとの情報があったもので、全面的に書き換えを行いました。ただ、「交配種」という言葉は一般的に使われている訳ですから、余り、頑なにこだわる必要はないと感じています。
 スズキスミレは多彩な発現形があって、特に花の色合いは多彩で楽しくなります。写真の花は白が強いのですが、ヒゴスミレの白由来というよりも、白っぽいスミレを親に選んだのではないか、などと想像しています。


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アリアケヒメスミレ

 こちらはアリアケスミレとヒメスミレの組み合わせです。やはり、距が白っぽくて少しぽってりしているところがヒメスミレ譲りでしょうね。花だけを見るとハリマスミレやヘイリンジスミレにも似ているような気がします。葉はイメージが違いますが、フィールドでこうした違いを見極めるのは甚だ難しいと感じる姿でした。
 単純な話ですが、花の色やグラデーションの様子では判断が難しいと考えるべきです。特にアリアケスミレは花の色が柄が多種多様ですから。写真で同定できる達人がいらっしゃるのは尊敬に値すると思います。一年中、寝ても覚めても頭はすみれだらけなのですが、それでも分からないものは分かりません(笑)。ただ、そうした紛らわしい交雑種のグループ内で、このアリアケヒメスミレは(まだ)なんとなく分かり易い方ではないかと思えるのですから、観察の積み重ねとは不思議なものですね。


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ハリマスミレ

 展示会なので、鉢の前にきちんと名前を示す札が立っています。もし鉢だけで並べてあったなら、ハリマスミレだと認識することができたでしょうか。距が白っぽくて少しぽってりしている花もあり、ヘイリンジスミレを疑った可能性もあるかなぁと感じました。実は、キリガミネスミレ方がハリマスミレに似ていると思うのですが、本州では自生地で判断できてしまうでしょう。
 数年前、ハリマスミレと思われるすみれを熊本で見かけています。その時、どのように判断したかと言えば、至って単純!周囲に両親がいっしょに咲いていたので、直接比較できる環境があったのです。言葉ではその通りですが、這いつくばって地面すれすれに顔を近づけ、一面に散らばった花をきょろきょろと眺めて比べる訳です。多少根気も要りました。そのまぬけなシーンを撮影した映像があったとして、自分では見たくありませんね(笑)。


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テリハニオイタチツボスミレ

 実際にフィールドでは観察できていない困った品種です。その上、栽培品ですから、実際に観察できているハマニオイタチツボスミレと比較するには少し無理があるような気がします。敢えて比較するならば、ほぼ同じ印象でした。
 葉の光沢は、海岸性で塩害などへの対応目的でクチクラ層が厚くなって艶が目立つもの、塩基性岩などとも表現される苦鉄質岩土壌の植物、渓流植物、その他、葉質や色などの要因があります。この品種を分布から推測する限り、海岸性は当たらないでしょう。すると、海岸性の場合はハマニオイタチツボスミレと見れば良いのかも知れませんが、個人が明確に線を引くには難しいところがありそうですね。逆に、敢えて区別する必然性があるのかという問題については、変異の理由や性質の違いをきちんと把握できてからの話でしょう。蛇足ながら、使用頻度の高い和名がケナシニオイタチツボスミレだという点については納得できない気がしませんか。


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