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趣味のサイト「すみれの部屋@(花の写真館)」のすみれ通信「徒然草=つぶやきの棚」をブログで…---☆
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「幾夜の夢」

 実生床です。補足しますと、下段、向かって左側にはヒメスミレ(桃色、市販)、中央には「幾夜の夢」、右側にはヒュウガスミレを蒔きました。因みに、上の3コマには予想外に気温が上がったために何も蒔いていません。全て、この春に採取した種子を取り蒔きにしたものです。うまく、発芽してくれましたね。
 ヒメスミレは増えすぎたら困ってしまうと思いながら、余りにかわいいので、ついつい蒔いてしまいました(笑)。「幾夜の夢」も発芽状況は抜群です。今年花を咲かせた株の中から、花が比較的大きく、果実もしっかり実った優良株候補です。幸か不幸か、どの株も余り大きな違いが出ません。さて、問題のヒュウガスミレですが、種子は5粒程度だったと思いますが、やっと二つだけ発芽してくれました。猛暑で熱帯夜、平均気温が高過ぎて、今年は発芽しないのかと諦めかけていました。ただ、うまく夏越しができるでしょうか。


<紹介> 花の写真館からすみれの部屋の一部コンテンツをブログで再現しています

<参考> 用途別に! 日本のスミレ増補改訂  スミレハンドブック
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「幾夜の夢」

 稔性はありますが、いわゆる「完璧稔性」ではないという感じがします。一般にスミレなどの場合、一つの果実で種子が30粒程度は詰まっているのではないでしょうか。「幾夜の夢」の場合、当初、一つの果実に種子が数個というケースが少なくありませんでした。現在でも余り多くはないのですが、15~20粒程度は期待できるようになりました。勿論、未だに数個の場合もあります。
 花弁そのものは大きめだと思いますが、一方、果実の方は小さめなのです。種子自体の大きさはスミレと同程度はありますから、物理的に15粒程度しか納まりません。解放花からでも、閉鎖花からでも果実ができますが、特に閉鎖花はどんどん上がって、結果的には大量に種子を収穫できることも分かってきました。発芽率は抜群ですから、余り頑張ると鉢の置き場がなくなってしまいます。


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「幾夜の夢」

 では、モデルさんにくるっと一回りしていただきましょう(笑)。正面は乳白色で、裏面は淡紫色の白覆輪、従って、蕾は先端部が白いひょうきんな姿をしています。2~3株ずつ植え込んでいますが、それぞれ花立ちが良くて、次々に蕾が上がってきますから、このような鉢姿で長く楽しむことができます。
 「幾夜の夢」の特徴として、花期の長さが挙げられます。南西諸島産すみれの血統でしょうね。少し日当たりの悪い庭ですが、4月上旬には咲き始め、最後の花が咲き終わったのは6月上旬でした。現在30鉢程度で、最盛期だったゴールデンウィーク前後には栽培棚がとても華やかでしたねぇ。きりっとした明るい緑色の葉が、白い花を引き立たせている点もイチ押しだと思っています。


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「幾夜の夢」

 もう長く育てている稔性を持ったハイブリッドです。名無しでは面倒くさいので園芸品種名として「幾夜の夢」と名づけました。これまで何度か紹介してきましたが、南西諸島産のヤエヤマスミレに近い種とスミレの交雑種ではないかと思っています。当時、庭にあったのはイシガキスミレ、それから敢えて挙げれば、スイートフェアリーがありましたね。
 株分けしたり、根伏せしたりで株数を増やしながら育てていたのですが、そのうちに種子ができる株が見つかりました。現在、芽生えたばかりの株は4世になると思いますが、3世までを観察する限り、性質はしっかり固定しています。美しく、かつ、かわいいので、今は増殖を図っているところで、徐々に選別していこうと思うのですが、実は余り個体差が出ないのです。


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ヒュウガスミレとフイリコミヤマスミレ

 初夏に自生地を歩きますと、春に比べて格段に大きくなったアオイスミレの葉などを見かけます。ところが、コミヤマスミレやヒュウガスミレでは、葉の大きさも形もほとんど変わらず、株元から新しい葉がたくさん出てくるようです。太陽の光を受ける面積などを考えると、葉を大きくするより、賢い選択かもしれませんね。
 さて、「花の写真館」にしては花が余り登場しないのに読んでいただき、ありがとうございました。いろいろ観察できて楽しかったトピックスでしたが、この辺で一度終わりにして、次の話題の準備にかかります。今、遮光した棚の脇で、太陽を楽しむように花を咲かせているのはヒバントゥス・コミュニスやヴィオラ・バンクシイ、それから、ぎりぎりでヴィオラ・アルベンシスやパンジーの仲間が頑張っています。でも、真夏を迎えると一時的に花がなくなってしまうのでしょうね。


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ヒュウガスミレ

 南谷忠志先生が、改めて乾燥標本を作るために採取され、根洗いを済ませたヒュウガスミレの充実株を撮影させていただきました。写真の根をよく観察しますと、地下茎または根から不定芽を出して増えていることが分かります。先生は高等学校教諭を長く務める傍ら、南九州を中心に植物研究を続け、宮崎県総合博物館学芸課長、副館長を歴任、宮崎植物研究会会長等を務められた植物研究家です。植物地理・分類学会賞(2000)や日本植物分類学会賞(2005)など、数々の受賞歴を持たれており、私は植物分類学者でいらっしゃると認識しています。やはり、植物に対するアプローチがいろいろ異なるのですが、先生の許可をいただいて、花粉稔性を簡易検査された際の顕微鏡画像をヒュウガスミレのページからリンクしています。


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ヒュウガスミレとフイリコミヤマスミレ

 こうして直接比べてみると、上のフイリコミヤマスミレと下のヒュウガスミレでは、葉などに生えている白い毛の様子がかなり違うのが分かりますね。ヒュウガスミレにも短い毛が疎らにあるのですが、毛深いすみれという印象には至りません。明るい緑色の葉表面が露に濡れていると光沢が目立つようになります。関東で見られるコミヤマスミレは、両者の中間的な存在のようです。
 毛が多いとか少ないとか、色が濃いとか薄いとか、このような性質は往々にして「段階的な変化」と呼ばれ、少し離れた場所でも違いがあったりするものです。ただ、毛深いという特徴を持つコミヤマスミレに対して、これだけ毛が少なくてつるっとしていると驚きますよね。毛深いアカネスミレに、毛がほとんど見られないオカスミレという変化がありますが、あそこまで極端ではありません。


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ヒュウガスミレ

 ヒュウガスミレが開花している株元には、ご覧の通り、一面に実生苗が芽を出していました。まだまだ果実は見られず、昨年の種子が越冬して花期に発芽したのだろうと理解しています。つまり、花を咲かせているのは昨年までに発芽して、開花できる大きさまでに充実した株ということになるのでしょうか。
 地面を覆う程に実生苗が多く見られ、これを栽培して継続観察をしています。栽培は上手くないのですが、情報の少なさをカバーするためにちょっとだけ努力をしている訳です(笑)。苗は株中心部から多数の葉が放射状に展開するという不思議な姿に育ち、ついに閉鎖花から果実ができました。黒褐色の小さな果実にも葉と同じ白い毛が見られ、小さな淡茶褐色の種子が詰まっています。一般的な認識では交雑種を想定しない状況ですが、なぜ、浜栄助氏が敢えて想定したのか、謎は残ります。


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コミヤマスミレ

 花期が遅いコミヤマスミレの場合、花を単独で見に出掛けた後はオフシーズン!というところでしょう。その後に展開する果実も種子も見たことがありませんでした。蒸し暑い日曜日、なんとか雨は降らないとの天気予報を確認して出掛けてみました。
 周囲の草が大きくなって見つけ難いのかな、と思っていたのですが、それ程でもありません。全体の姿も花期と大きく変わらないのですが、全体に葉の色が薄いようです。じっくり観察すると、表裏ともに濃い葉が少しだけ見られます。初春に充実していた葉には赤みが残り、花と同時期の葉は色があせ、花後に株中心部から延び始めている若い葉は黄緑色というところでしょうか。何よりも驚いたのは、株数がとても多かったことです。コミヤマスミレの姿を追いかけてどんどん登り、その姿が見られなくなったのは頂上付近のことでした。


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ヒュウガスミレとフイリコミヤマスミレ

 ヒュウガスミレの自生地を見て、「やはり、そうか!」と思ったことがあります。左のヒュウガスミレも、右のフイリコミヤマスミレでも同じですが、生育環境として、地面は湿っていても決して薄暗い場所ではないことがお分かりいただけるでしょうか。ともに東南向きの斜面(法面)で少なくても半日は太陽が当たります。
 最初に観察した場所や、最初に調べた書籍情報のイメージは強く記憶に残るものなのでしょうね。四国の坂道で面白い模様のフイリコミヤマスミレに遭遇した時は、葉の変化よりも環境に驚いてしまって、方位磁石を持ち出したり、最近伐採された痕跡はないかと探してしまいました。しかしながら、太陽の位置はほぼ真上で、水が滲み出していなければカラカラに乾いてしまうような場所なのです。ヒュウガスミレも視界が開けた坂道の法面で咲いていました。正しく理解するためには、実際に幅広く観察することが大事なのだなぁと改めて感じています。


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