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趣味のサイト「すみれの部屋@(花の写真館)」のすみれ通信「徒然草=つぶやきの棚」をブログで…---☆
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アワガタケスミレ

 おお、確かにアワガタケスミレですね。昨年の春に自生地を訪ねてじっくり観察してきたものですから、見間違えることはありません。目的の山がまだ残雪だらけとの情報があって迷っていたのですが、付近の山地でも見つかるとの話をいただき、雪を踏むことなく観察できました。
 花はナガハシスミレと同様、距の長さや花びらの様子に幾つかの変化があるようだと思います。距がしっかり長い個体もありますが、この植栽株の距はタチツボスミレ程度という感じですね。自生地で観察した個体はほぼ中間で、花に赤みが強い姿でした。やはり、明確な特徴は丸くて平たい葉の方です。艶があって、これで醤油色をしていたら堅焼きせんべいです(笑)。春、地上部が展開してから雪に降られるなんて当たり前の話ですが、そんなことがあっても被害は少なくて済みそうですね。


<紹介> 花の写真館からすみれの部屋の一部コンテンツをブログで再現しています

<参考> 用途別に! 日本のスミレ増補改訂  スミレハンドブック
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アカバナスミレ

 毎年恒例になりましたが、花がなくなる冬場に、各地で行われたすみれの展示会から印象に残ったスミレたちを選んでリヴューしています。これって、楽しくて、意外に勉強になるのです。
 最初に登場するのはアカバナスミレ。殊更にじっくり拝見させていただきました。う~ん、何気なく山で出逢ったら少し色が濃いめのエイザンスミレと認識することでしょうね。幾つかの資料では葉がヒゴスミレ風にほぼ五全裂していると言われ、四国で観察できた葉も分かれていました。ところが、この植栽株ですが、エイザンスミレ風に三裂してから更に分かれています。色合いという要素は主観的になりがちですので、この辺の形態的特徴が明確でないと困ってしまいますね(笑)。


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ミヤマキスミレ

 今年出逢ったという訳ではないのに、年間を通して印象に残った種の一つ、ミヤマキスミレです。この写真は3年前の撮影です。実は、これまで母種であるオオバキスミレとしてふんわりと扱っていました。葉の付き方からミヤマキスミレではないかという気持ちもあったのですが、今ひとつ確信が持てずにベールに包んでいたようなものです。
 今年、同じエリアの自生地を訪れた方々が同様に悩みながら、ミヤマキスミレと認識するしかないとのコメントがあり、「やっぱり、そーだよねぇ」と改めて納得してしまったという経緯です。やはり、数年前、ニョイスミレとミヤマツボスミレに境界線で悩みまくっていた訳ですが、どこかでバシっと線を引くことができる訳ではないのだと割り切る必要があるのでしょう。場合によっては、自生地で判断することも「あり」なのかも知れません。思い切って独立ページに分離して、とてもスッキリしました(笑)。


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ヴィオラ・アルベンシス

 やはり、パンジーそっくりの果実を作るヴィオラ・アルベンシスです。そっくりもなにも、原種の一つで、Field pansy と呼ばれている訳ですから、当然でしょうか。花びらは極小サイズですが、果実は普通サイズ!印象的には大きく見えます。花の大きさと果実の大きさには相関性はないのですね。
 割れた果実の袋(心皮に当たる)より萼片(蔕)の方が大きいことも印象的です。それから、托葉が驚く程に大きくて、茎生葉と比べたくなります(笑)。この写真は6月の撮影、つまり直前まで花を付けていました。その後、植物体全体があっという間に枯れて干草のようになってしまいました。この状態で牧草に混じり、世界中に運ばれるということでしょう。閉鎖花を上げて、果実から種子を飛ばすというステップですが(今年は)見られませんでした。


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ヒュウガスミレとフイリコミヤマスミレ

 初夏に自生地を歩きますと、春に比べて格段に大きくなったアオイスミレの葉などを見かけます。ところが、コミヤマスミレやヒュウガスミレでは、葉の大きさも形もほとんど変わらず、株元から新しい葉がたくさん出てくるようです。太陽の光を受ける面積などを考えると、葉を大きくするより、賢い選択かもしれませんね。
 さて、「花の写真館」にしては花が余り登場しないのに読んでいただき、ありがとうございました。いろいろ観察できて楽しかったトピックスでしたが、この辺で一度終わりにして、次の話題の準備にかかります。今、遮光した棚の脇で、太陽を楽しむように花を咲かせているのはヒバントゥス・コミュニスやヴィオラ・バンクシイ、それから、ぎりぎりでヴィオラ・アルベンシスやパンジーの仲間が頑張っています。でも、真夏を迎えると一時的に花がなくなってしまうのでしょうね。


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ヒュウガスミレ

 南谷忠志先生が、改めて乾燥標本を作るために採取され、根洗いを済ませたヒュウガスミレの充実株を撮影させていただきました。写真の根をよく観察しますと、地下茎または根から不定芽を出して増えていることが分かります。先生は高等学校教諭を長く務める傍ら、南九州を中心に植物研究を続け、宮崎県総合博物館学芸課長、副館長を歴任、宮崎植物研究会会長等を務められた植物研究家です。植物地理・分類学会賞(2000)や日本植物分類学会賞(2005)など、数々の受賞歴を持たれており、私は植物分類学者でいらっしゃると認識しています。やはり、植物に対するアプローチがいろいろ異なるのですが、先生の許可をいただいて、花粉稔性を簡易検査された際の顕微鏡画像をヒュウガスミレのページからリンクしています。


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ヒュウガスミレとフイリコミヤマスミレ

 こうして直接比べてみると、上のフイリコミヤマスミレと下のヒュウガスミレでは、葉などに生えている白い毛の様子がかなり違うのが分かりますね。ヒュウガスミレにも短い毛が疎らにあるのですが、毛深いすみれという印象には至りません。明るい緑色の葉表面が露に濡れていると光沢が目立つようになります。関東で見られるコミヤマスミレは、両者の中間的な存在のようです。
 毛が多いとか少ないとか、色が濃いとか薄いとか、このような性質は往々にして「段階的な変化」と呼ばれ、少し離れた場所でも違いがあったりするものです。ただ、毛深いという特徴を持つコミヤマスミレに対して、これだけ毛が少なくてつるっとしていると驚きますよね。毛深いアカネスミレに、毛がほとんど見られないオカスミレという変化がありますが、あそこまで極端ではありません。


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ヒュウガスミレ

 ヒュウガスミレが開花している株元には、ご覧の通り、一面に実生苗が芽を出していました。まだまだ果実は見られず、昨年の種子が越冬して花期に発芽したのだろうと理解しています。つまり、花を咲かせているのは昨年までに発芽して、開花できる大きさまでに充実した株ということになるのでしょうか。
 地面を覆う程に実生苗が多く見られ、これを栽培して継続観察をしています。栽培は上手くないのですが、情報の少なさをカバーするためにちょっとだけ努力をしている訳です(笑)。苗は株中心部から多数の葉が放射状に展開するという不思議な姿に育ち、ついに閉鎖花から果実ができました。黒褐色の小さな果実にも葉と同じ白い毛が見られ、小さな淡茶褐色の種子が詰まっています。一般的な認識では交雑種を想定しない状況ですが、なぜ、浜栄助氏が敢えて想定したのか、謎は残ります。


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ヒュウガスミレとフイリコミヤマスミレ

 ヒュウガスミレの自生地を見て、「やはり、そうか!」と思ったことがあります。左のヒュウガスミレも、右のフイリコミヤマスミレでも同じですが、生育環境として、地面は湿っていても決して薄暗い場所ではないことがお分かりいただけるでしょうか。ともに東南向きの斜面(法面)で少なくても半日は太陽が当たります。
 最初に観察した場所や、最初に調べた書籍情報のイメージは強く記憶に残るものなのでしょうね。四国の坂道で面白い模様のフイリコミヤマスミレに遭遇した時は、葉の変化よりも環境に驚いてしまって、方位磁石を持ち出したり、最近伐採された痕跡はないかと探してしまいました。しかしながら、太陽の位置はほぼ真上で、水が滲み出していなければカラカラに乾いてしまうような場所なのです。ヒュウガスミレも視界が開けた坂道の法面で咲いていました。正しく理解するためには、実際に幅広く観察することが大事なのだなぁと改めて感じています。


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ムラサキコマノツメ

 明るい屋外で撮影しているのですが、このように写り込むと花の様子が分かりやすくて良いですね。同定が簡単な花色を持つムラサキコマノツメです。
 要するにニョイスミレの色違いですから、育て易くよく増えて、たくさんの花を咲かせます。数年前に種子から育てた個体の末裔ですが、黒くて小さい種子を一面に飛ばして、ところ構わず、顔を出すというひょうきん者です。
 東北産ニョイスミレといっしょに花を咲かせていたこともありましたが、混血してしまう様子はないようでした。色違いと説明しておきながら、実は、少しですが違いがあるように思われます。先ず、ほぼ同じ環境に育てば、ムラサキコマノツメの方が草丈が高くなり、ごちゃごちゃと絡みつくように延びることも少ないような気がします。勿論、変異があるのだと思いますが、たまたま育てている個体と、湿原で観察した個体がそのような様子だったということかも知れません。


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