おお、確かにアワガタケスミレですね。昨年の春に自生地を訪ねてじっくり観察してきたものですから、見間違えることはありません。目的の山がまだ残雪だらけとの情報があって迷っていたのですが、付近の山地でも見つかるとの話をいただき、雪を踏むことなく観察できました。 |
<紹介> 花の写真館からすみれの部屋の一部コンテンツをブログで再現しています
<参考> 用途別に! 日本のスミレ増補改訂 スミレハンドブック
毎年恒例になりましたが、花がなくなる冬場に、各地で行われたすみれの展示会から印象に残ったスミレたちを選んでリヴューしています。これって、楽しくて、意外に勉強になるのです。 |
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<参考> 用途別に! 日本のスミレ増補改訂 スミレハンドブック
今年出逢ったという訳ではないのに、年間を通して印象に残った種の一つ、ミヤマキスミレです。この写真は3年前の撮影です。実は、これまで母種であるオオバキスミレとしてふんわりと扱っていました。葉の付き方からミヤマキスミレではないかという気持ちもあったのですが、今ひとつ確信が持てずにベールに包んでいたようなものです。 |
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やはり、パンジーそっくりの果実を作るヴィオラ・アルベンシスです。そっくりもなにも、原種の一つで、Field pansy と呼ばれている訳ですから、当然でしょうか。花びらは極小サイズですが、果実は普通サイズ!印象的には大きく見えます。花の大きさと果実の大きさには相関性はないのですね。 |
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初夏に自生地を歩きますと、春に比べて格段に大きくなったアオイスミレの葉などを見かけます。ところが、コミヤマスミレやヒュウガスミレでは、葉の大きさも形もほとんど変わらず、株元から新しい葉がたくさん出てくるようです。太陽の光を受ける面積などを考えると、葉を大きくするより、賢い選択かもしれませんね。 |
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南谷忠志先生が、改めて乾燥標本を作るために採取され、根洗いを済ませたヒュウガスミレの充実株を撮影させていただきました。写真の根をよく観察しますと、地下茎または根から不定芽を出して増えていることが分かります。先生は高等学校教諭を長く務める傍ら、南九州を中心に植物研究を続け、宮崎県総合博物館学芸課長、副館長を歴任、宮崎植物研究会会長等を務められた植物研究家です。植物地理・分類学会賞(2000)や日本植物分類学会賞(2005)など、数々の受賞歴を持たれており、私は植物分類学者でいらっしゃると認識しています。やはり、植物に対するアプローチがいろいろ異なるのですが、先生の許可をいただいて、花粉稔性を簡易検査された際の顕微鏡画像をヒュウガスミレのページからリンクしています。 |
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こうして直接比べてみると、上のフイリコミヤマスミレと下のヒュウガスミレでは、葉などに生えている白い毛の様子がかなり違うのが分かりますね。ヒュウガスミレにも短い毛が疎らにあるのですが、毛深いすみれという印象には至りません。明るい緑色の葉表面が露に濡れていると光沢が目立つようになります。関東で見られるコミヤマスミレは、両者の中間的な存在のようです。 |
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ヒュウガスミレが開花している株元には、ご覧の通り、一面に実生苗が芽を出していました。まだまだ果実は見られず、昨年の種子が越冬して花期に発芽したのだろうと理解しています。つまり、花を咲かせているのは昨年までに発芽して、開花できる大きさまでに充実した株ということになるのでしょうか。 |
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ヒュウガスミレの自生地を見て、「やはり、そうか!」と思ったことがあります。左のヒュウガスミレも、右のフイリコミヤマスミレでも同じですが、生育環境として、地面は湿っていても決して薄暗い場所ではないことがお分かりいただけるでしょうか。ともに東南向きの斜面(法面)で少なくても半日は太陽が当たります。 |
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<参考> 用途別に! 日本のスミレ増補改訂 スミレハンドブック
明るい屋外で撮影しているのですが、このように写り込むと花の様子が分かりやすくて良いですね。同定が簡単な花色を持つムラサキコマノツメです。 |
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