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趣味のサイト「すみれの部屋@(花の写真館)」のすみれ通信「徒然草=つぶやきの棚」をブログで…---☆
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フイリゲンジスミレ

 新年、気持ちを新たにして今後の目標を見つめ直したいものです。昨年も懸命にすみれや植物全般の勉強をしてきましたが、まだ知らないことがたくさんあるということを再認識する、そんな繰り返しですね。それでも、1年間分の積み重ねはそれなりに満足できる質と量でした。
 さて、今年も昨年並みの進歩ができるのか?気力、体力、そして運もありますよね。いづれにしても、貯め込むだけではなく、それを何らかの方法で発揮できないものでしょうか。誰しもがそんなことを漠然と考えているような気がします。まぁ、一つ一つ具体的に地味でも笑いながら歩を進めて行こうかと思います。


<紹介>趣味のサイト「花の写真館」は、基本サイトの「四季の山野草」、そこから独立した「すみれの部屋」「イカリソウの部屋」、サイドストーリー「野の仲間たち」等で構成されています。特に「すみれの部屋」には多くの方に訪問いただきました。サイトの一部「徒然草=つぶやきの棚」をブログで再現しています。
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ヴィオラ・ルペストリス 'ロゼア'

 側弁に剛毛が垣間見えるアイヌタチツボスミレの近縁種ヴィオラ・ルペストリス、その薔薇色の園芸品種です。この仲間は日本では珍しいグループになりますが、世界的に見ると、分布域がユーラシアおよび北米と言われますから、すみれが多く自生する温帯域いっぱいに自生していると言って良いのかも知れません。
 意外にも情報が少ないので海外のサイトを丹念に調べてみますと、淡い紫色の株がかなり多く、イブキスミレを思い出すような白地に水色が滲んでいるといった色合いです。この園芸品種が発している強い色合いとは大きな違いが感じられました。特異な薔薇色が先にインプットされてしまった例ですね。

ヤマツクシスミレ

 この春に鹿児島の自生地を訪ねたツクシスミレの亜種とされ、とても良く似た外観を持つヤマツクシスミレです。ツクシスミレと見比べて、すぐに分かる違いは花色が多少濃いめであることと、花茎に粗い毛が目立つこと程度でしょうか。今年も出展されていて嬉しい、私のお気に入りです。
 この仲間は東南アジアに数種が知られているだけの小さなグループです。数少ない情報源が正しければですが、染色体数についてツクシスミレは2n=26という特徴的な値で、一方のヤマツクシスミレは2n=74という大きい値を示して差異があります。一般に亜種は環境的隔絶などによって生じる訳ですが、両者は東南アジアの隣接地域に自生するので何か違和感がありますね。

ヴィオラ・ソロリア(フレックルズ)

 すみれの展示会では、外来の園芸種などの鉢も並んでいます。これはお馴染みのヴィオラ・ソロリア(フレックルズ)ですね。白地の花弁に紫色の絵の具を霧状にして吹き掛けたような斑がチャームポイントです。小学校の図画工作の時間に、水彩絵の具で吹き掛けをやった記憶が甦ります。
 斑点の大きさや密度には個体差が出ますが、概ね、上品なイメージを醸し出してくれます。このような模様を「吹っかけ絞り」と呼ぶようです。朝顔や椿、マラコイデスなどの園芸種で稀に見掛けました。他のすみれにも似た柄の花が咲くものがあるでしょうか。もし、あるようならば、フレックルズと並べて眺めてみたいものですね。

オオタチツボスミレ

 尾瀬近辺まで足を運びますとオオタチツボスミレに出逢うことができますね。不思議なもので、オオタチツボスミレが見られる地域ではタチツボスミレは余り見られません。勿論、例外もある話です。
 オオタチツボスミレはいろいろな環境に自生するので、オオバキスミレやミヤマスミレが特定の位置に自生するのに対して、あちらにもこちらにも咲いていました。もうすみれの花は終わってしまった下界から登ってきて、準備を整えて山道を歩き出す、その一歩目にも咲いています。良く来たね!と迎えてくれたようでした。

スミレサイシン

 尾瀬にやってきました。ここは高原と言うより、高層湿原ですね。群馬、福島、新潟の県境にあり、実は栃木県にも近いポイントに位置しています。
 登場するのは日本海側に多いすみれたちと、高層湿原ならではのすみれたちです。前者のスミレサイシンですが、なかなか綺麗ですよね。こんな感じで咲いている時間は存外短く、風に吹かれれば簡単に花弁が落ち、雨に降られれば色落ちするような儚さを持っています。撮影地ではウマノスズクサ科のウスバサイシンと隣り合わせていて、同行者に命名の由来を説明するには好都合でした。(^^*)

ヴィオラ・ラブラドリカ

 締めを担当するのは、冬場にも花を咲かせてくれるヴィオラ・ラブラドリカです。このすみれが持つ渋い明るさがとてもお気に入りなので、タネを取り蒔きして株を増やし、鉢を屋外と室内で育て分けをしているのですが、残念ながら、この冬は花がまだ咲いてくれません。
 赤紫色の花と白くて太い距のコントラストが絶妙。加えて赤茶色から錆(さび)色、鈍(にび)色とでも形容できそうな葉を持っていて、実は和風な感じもするのですね。ここは錆朱(さびしゅ)色のバックで撮ってみました。(=^_^=)

 年内滑り込み組パート3で、本年は打ち止めです。

ニオイスミレ (Viola odorata)

 少し変わった色の小さな花が咲いています。混み合うように多くの葉が見えますが、一部の地上茎は木質化していますね。これはニオイスミレ、英名では"Sweet Violet"と呼ばれます。
 欧州では、陶磁器等のデザインにスミレが用いられることも多いのですが、ほとんどの場合、この種がモチーフになっているようです。ハーブであり、アロマオイルを得る農産物という側面もありますね。
 濃い青紫色が一般的ですが、日本の家菊や朝顔のように盛んに改良が行われた時期があって、色も形も、芳香さえも多種多彩な無数の園芸品種群を構成しています。あら、なにか、カタログ説明みたいな話になっちゃいましたね。(^.^)

ソロリア (スノープリンセス)

 意識して並べると、白い花を咲かせるすみれはとても多いですね。その中でも、このスノープリンセスは名実ともに「雪」のイメージを醸し出す代表格ではないでしょうか。古い写真なのですが、シラユキスミレを退けて最終ランナーに選んでみました。
 ただ、このソロリアという北米のすみれたちは強健である上、日本の環境がお気に召した様子で、野山でも幅を利かせて野生化の一途を辿っています。まるで琵琶湖で繁殖するブラックバスやブルーギル、というのは過剰表現ですが、安易に持ち込むべからずという点では共通でしょうね。

ヴィオラ・ルペストリス 'ロゼア'

 薔薇色と称されていますが、和風に紅色と言っても差し支えないように思われるヴィオラ・ルペストリス 'ロゼア' です。馴染みのある姿ですが、ヨーロッパから中央アジアに分布して、アイヌタチツボスミレの仲間とされています。
 以前、ヴィオラ・アレナリア 'ロゼア'と呼ばれていたという話は知られていますが、学名(種小名)の意味を見るとおもしろいことがあります。"arenarius" は「砂地に生ずる(好む)」という意味ですが、"rupestris" は「岩上に生ずる」なのですね。学者の都合で学名が変わるのは良いのですが、困ったことにすみれが好きな場所が変わってしまいました(笑)。

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